安倍晴明の子孫は現在も続いている？家系図で簡単に解説！子孫には元首相も？

安倍晴明(921(延喜21)〜1005(寛弘2))は、平安時代に活躍していた陰陽師です。

1990〜2000年くらいの間に陰陽師ブームが到来し、様々なメディアで「陰陽師」が取り上げられました。

また、最近では、フィギュアスケート選手の羽生結弦さんが、陰陽師モチーフの曲で演技されていたことでも注目されていました。

このように、陰陽師という言葉を通して、安倍晴明のことを知っているという人も多いです。

そんな安倍晴明の子孫は現在まで続いているのでしょうか？

この記事では、安倍晴明の子孫について簡単に解説していきます。

安倍晴明の家系図をわかりやすく解説！

安倍晴明の家族構成は？

安倍晴明(あべのせいめい)：921年(延喜21年)〜1005年(寛弘2年)享年：84歳

父：安倍益材／母：葛の葉？

子：吉昌、吉平

安倍晴明の出生は謎に包まれています。

しかし、一説によると、父親は大膳大夫(宮内省の官)・安倍益材だと言われています。さらに、伝説によると母親は、葛の葉という名の「狐」だったのではないかとも言われているのです。

このように、安倍晴明は、出生から多くの謎に包まれています。

安倍晴明は妻が誰かは判明していないものの、子供が2人(吉昌と吉平)いました。

そして、この吉平の系譜が脈々と続いていったようです。

安倍晴明の子孫は後世で苗字が土御門になった？

安倍晴明は、その名の通り、安倍氏に所属していました。

しかし、その子孫の安倍氏は、室町時代になって安倍氏から土御門氏へと苗字を変えているのです。

変えた理由ははっきりと判明していません。

一般には、安倍晴明から数えて14代目にあたる安倍有世を祖とするが、実際に土御門を称したのは、安倍有世のひ孫である土御門(安倍)有宣からとされています。

そのため、土御門有宣以降の安倍晴明の子孫は、土御門姓を名乗っています。

安倍晴明の子孫は現在まで続いている？

安倍晴明には2人の子供がいました。

その子供から子孫は現在まで続いていったのでしょうか？

ここでは、安倍晴明の子孫について簡単に解説していきます。

安倍晴明の子孫は途絶えてしまった？

安倍晴明の2人の子供のうち、吉平の子孫がその後も続いていきます。

子孫は代々、安倍晴明と同じように、陰陽師を継承していきました。

脈々と分家を増やしながら続いていくのですが、室町時代辺りになると、安倍家は宗家を巡って争い始めます。

その争いを治めたのが、14代目の安倍有世という人物です。

この安倍有世は非常に優秀な人物で、陰陽師としてかつてないほどの最高位に上り詰めます。そして、その評価を持ってして、他の家の者たちを黙らせたのです。

ここを起点として、安倍家は非常に格の高い家となり、安倍有世のひ孫である有宣の代から土御門姓を名乗るようになります。

その後、土御門家は明治維新後も華族として血統が続いていきました。

しかし、その途中で実は安倍晴明の男系の血筋は途絶えてしまっています。

途絶えたのは、戦国時代辺りで、土御門泰栄の代です。

宗家はこのように安倍晴明の男系の血筋が途絶えてしまったので、養子相続を繰り返して女系を経た遠縁となってしまっています。

それでも、安倍晴明の子孫はとても多くの分家を出したりしていたので、その血筋は現在まで様々な場所でしっかりと残っているのです。

また、宗家ではありませんが、安倍晴明の血を引く27代目だという安倍成道という方が現在も陰陽師としてご活躍されているそうです。

安倍晴明の子孫の墓がピンチになっている？

安倍晴明の子孫の墓は、土御門家の菩提寺であった京都にある梅林寺にあります。

そこには、18世紀から大正期に建てられた一族の墓が20基残っています。

しかし、2017年にその墓に関するニュースがありました。

なんと、その一族の墓が、長年の風雨にさらされて墓石にひびが入り、碑銘も剥がれ落ちてしまっている墓もあるとのことです。

なぜそのようなことになってしまったのかというと、もう半世紀以上土御門家の関係者との連絡が途絶えており、一族の方と協議ができないまま補修できずにいるからです。

土御門家の最後の男性当主は、土御門熈光・範忠兄弟です。

その没後は、範忠の一人娘である土御門善子さんが当主を務めてらっしゃいましたが、あまり継承の意志はなく、近年動向そのものが不明となっているそうです。

お寺側で供養することはできても、身内ではないと補修は勝手にできません。

完全に壊れてしまう前に、子孫の方が名乗り出てくれることを願うばかりです。

安倍晴明の子孫には安倍晋三元首相がいる？

安倍晴明の子孫には、安倍晋三元首相がいるという説があります。

これの元となるのは、安倍元首相が2013年に行った演説です。

この演説内で、安倍元首相は

「私は安倍貞任の末裔だ」

と語ったそうです。

この安倍貞任は、平安時代の武将で、阿倍倉梯麻呂という人物の子孫に当たります。

阿倍倉梯麻呂は、安倍晴明の祖先にも当たる人物なので、安倍貞任と安倍晴明は同じ祖先を持つ、同じ血が流れている者同士ということになりますね。

つまり、安倍元首相は、安倍晴明の直接の子孫ではないものの、安倍晴明と同じ血を継いでいるということになるのです。

安倍晴明の子孫で活躍した人は？

安倍晴明の子孫は、血筋は途絶えてしまったものの、家は現在まで脈々と続いていきました。

その中でも、特に活躍した人物たちがいます。

ここでは、安倍晴明の子孫で特に活躍した人たちを簡単に解説していきます。

安倍晴明の子孫：安倍泰親

安倍泰親は、平安時代の末期、安倍晴明から数えて5代目の子孫にあたる人物です。

安倍晴明の再来ともいわれている安倍泰親は、陰陽師としての能力が非常に高かったと言われています。

安倍泰親が予言したと言われているのは、以下の通りです。

• 1148年の内裏火災
• 1172年の内親王の急逝
• 1179年の政変
• 1180年の以仁王の挙兵

このように、次々と予言を言い当てたことから、安倍泰親は「指御子(さすのみこ)」と呼ばれていたと平家物語に記されています。

安倍晴明の子孫：安倍有世

室町時代あたりになると、安倍晴明の分家を繰り返した子孫たちは宗家をめぐって争いを始めます。

それを治めたのが、14代目である安倍有世です。

安倍有世は、才能ある人物で、室町幕府3代目将軍・足利義満のための祈祷を行います。

それをきっかけとし、安倍有世は足利義満に重用されるようになります。そして、その結果、昇殿を許され、1384年には従三位の公卿となりました。

これは、安倍氏としては500年ぶりの快挙でした。

その後も、安倍有世は次々と戦や天災を予知していき、公家社会で大評判を得ていきます。

最終的には、従二位参議刑部卿という、陰陽師としてはかつてない最高位に上り詰めました。

この頃には、「有世」が陰陽師そのものを指す俗語になったほど、その名が世に知れ渡っていました。

そして、安倍有世の子孫は、無事宗家となり、代々氏長者を務めていくこととなりました。

安倍晴明の子孫：土御門藤子

土御門藤子は、幕末から明治初期に活躍した土御門家当主の妹にあたる人物です。

女官であった土御門藤子は、和宮の側近を務めていました。

そして、1868年(明治元年)に、新政府軍の江戸への進軍が決まった際、土御門藤子は非常に重要な役割を果たすのです。

それは、和宮の使者として、和宮の直書と徳川慶喜の嘆願書を京に届けたことです。

この嘆願書を届けたことが、江戸城無血開城の要因の1つとなりました。

そして、これにより、幕府も安心して大政奉還を行うことができたのです。

このように、土御門藤子は、時代の大きな分岐点に、深く関与した人物でした。

安倍晴明の子孫：土御門熈光(ひろみつ)

土御門熈光は、大正から昭和にかけての土御門家の当主です。

この時代までくると、陰陽道は衰退していましたが、土御門熈光は陰陽道の再興を目指し、日本陰陽会の副総裁となりました。

しかし、志半ばで、26歳という若さで亡くなってしまいました。

土御門熈光には、子供がいなかったため、弟の土御門憲忠が跡を継ぎましたが、その段階で華族制度が廃止され、特権階級ではなくなってしまいました。

まとめ：安倍晴明の男系の血筋は途絶えてしまったが、家は現在まで続いている

安倍晴明の子供は2人おり、そこから子孫が脈々と続いていきました。そして、その子孫たちは代々陰陽師を継承していきました。安倍晴明の男系の血筋は途絶えてしまいましたが、養子相続を繰り返し、家自体は現在まで続いています。

今回の内容をまとめると、

• 安倍晴明には、子供が2人(吉昌、吉平)いた
• 安倍晴明の子供、吉平の系譜が脈々と続いていくことになる
• 安倍晴明の子孫は代々陰陽師を継承していった
• 安倍晴明の男系の血筋は途絶えてしまった
• 安倍晴明の家系自体は養子相続をくり返し、現在まで続いている
• 安倍晴明の先祖からつながる子孫として、安倍晋三元首相がいる

安倍晴明から始まった陰陽師は、その子孫が代々受け継いでいきました。

そして、途中で陰陽道が衰退したにも関わらず、安倍晴明の血を引いた方が、現在でも陰陽師をやってらっしゃるというのは驚きですね。