板垣退助の子孫は現在まで続いてる？家系図で簡単に解説！子孫には芸人や学者も？
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板垣退助(1837(天保8)〜1919(大正8))は、明治維新の元勲で、自由民権運動の指導者として活躍しました。東アジアで初となる帝国議会を樹立し、「国会を創った男」としても知られています。
そんな板垣退助の子孫は現在まで続いているのでしょうか？
この記事では、板垣退助の子孫について、家系図を見ながら簡単に解説していきます。
目次
板垣退助の家系図を簡単に解説！
板垣退助の家族構成は？
【板垣退助のプロフィール】
板垣退助(いたがきたいすけ)1837年(天保8年)〜1919年(大正8年) / 享年：83歳
出身地：高知城下中島町(現在の高知県高知市)
父：乾正成／母：幸
正妻：林益之丞政護妹
継妻：中山弥平治秀雅次女
継妻：鈴
継妻：絹子
権妻：清女
子：鉾太郎、乾正士、孫三郎、正実、乾六一、片岡浜子、宮地軍子、小川婉子、浅野千代子、小山良子
板垣退助は、1837年(天保8年)に高知城下中島町(現在の高知県高知市)にて、乾正成と幸の嫡男として生まれました。その後は、妻を5人迎え、それぞれの妻との間に、五男五女の子どもを授かりました。
板垣退助の子孫は現在まで続いてる？
板垣退助は、妻との間に五男五女の子どもを授かりました。
その板垣退助の子孫は現在まで続いているのでしょうか？
ここでは、板垣退助の子孫について簡単に解説していきます。
板垣退助の子孫には芸人や学者も？
板垣退助の子孫は、現在まで続いており、2018年の板垣100回忌には子孫が30人集ったそうです。
いずれも一般の方がほとんどであり、詳細は不明なのですが、板垣退助の子孫は現在も、全国各地に存在しているようです。
また、板垣退助の子孫と判明している学者の方もいます。
それは、2018年に亡くなってしまった法学者の杉崎光世さんです。
杉崎さんは退助のひ孫にあたる方であり、家族法を専門とした法学者・フランス語学者として活躍しました。
さらに、退助の100回忌に向けて、『板垣薨去百年とルーテル八幡協会百年』を執筆していました。
記念書籍の編纂に合わせて執筆していたのですが、100回忌の3ヶ月前に89歳で亡くなってしまいました。
杉崎さんがフランス語を選んでいたのも、板垣退助がフランスの高級ブランド「ルイ・ヴィトン」を、日本人で初めて購入したこととなにか関係があるのかもしれませんね。
さらに、板垣退助の子孫として噂されている芸人さんもいます。それは、オリエンタルラジオの中田敦彦さんです。
しかし、こちらは顔が似ているからというだけで囁かれた噂に過ぎず、真偽は不明のままです。
板垣退助の子孫に政治家はいる？
板垣退助はとても偉大な政治家でした。その子孫に政治家はいるのでしょうか？
板垣退助の子孫は、そのほとんどが一般人ですが、確認できる範囲では一人だけ政治家になった子孫がいます。
それは、板垣退助の子・鉾太郎の次男である守正です。
守正は、父・鉾太郎が廃嫡したことにより、板垣家の家督を継いでいました。
しかし、劇作家であった守正は、板垣退助を侮辱する内容を含む『自由党異変』を帝国劇場で上演し廃嫡されてしまいます。
その後、守正はこともあろうに、板垣退助が作った自由党の後継政党である政友会の政敵である、立憲民政党に入党するのです。
このことを受けて、守正は板垣家から永久勘当されるという、世間を巻き込んだ大騒ぎを起こしました。そのため、板垣退助の意志を継いで政治家になったというわけではないと考えられます。
板垣退助の子どもはどうなった？
五男五女と10人もいた板垣退助の子どもたちはどうなっていったのでしょうか？
詳細がわかっている人物だけご紹介していきます。
・板垣退助の長男：鉾太郎
退助の嫡男であった鉾太郎は、高知県に私立学校泰平学校を設立し、教育に心血を注いでいました。また、『現今華族上流社会の矯正を望む』と題した論考を発表したり、退助の死後華族踏襲をしないために廃嫡したりと、退助の意志を1番理解していた人物であったと言えるでしょう。
・板垣退助の次男：正士
次男の正士は、退助の分家・乾市郎平正厚が、無嗣のまま死去したため、正厚家の家格を維持するために、同家の養子となり家督相続しました。
また、晩年には退助の遺志を広める目的により、高知県に板垣会館を竣工します。
この板垣会館は空襲により全焼してしまいましたが、建設同志会は保存し、さらに財団法人板垣会と改称して存続し、戦後も退助の遺志を広める活動を続けているそうです。
・板垣退助の三男：六一
次男の正士同様、六一も乾家の養子に出されました。
六一が養子に出た乾家は、乾源五郎家であり、これは乾友正が1648年に別家を立てて以来の由緒ある家系でした。
しかし、友正は無嗣のまま病死し、断絶していました。
そこで退助は生後3ヶ月の六一に「源五郎友正死亡跡絶家再興」の届出をさせ、乾源五郎家を再興させました。
これには、退助の乾氏の姓を残そうとする思惑があったようです。
しかし、後に、やはり板垣家の名を広めることに重点を置くようになり、六一に「乾源五郎家廃家」の届出をさせ、板垣家の戸籍に復籍させました。
退助に振り回されるような人生だったと言えるでしょう。
・板垣退助の四女：千代子
四女の千代子は、浅野泰次郎に嫁ぎました。この浅野泰次郎という人は、浅野総一郎の嫡子です。浅野総一郎は、「京浜工業地帯を創った男」などと呼ばれるような、一代で浅野財閥を築いた人物でした。
板垣退助の祖先は？
板垣退助の先祖は板垣信方という武将でした。
この人物は、武田信玄の筆頭重臣で、村上義清に敗れ落命していました。
そして、信方の孫で乾氏を名乗っていた正信は、小田原征伐の際陣借りして奮戦し、山内一豊の土佐移封時に召し抱えられ、一緒に土佐へと行くことになりました。
こうして、板垣退助の祖先は土佐の地に来たわけですね。
こういう経緯でしたから、板垣退助も最初は乾退助という名でした。
しかし、戊辰戦争の際、甲斐に進軍しようとしたところ、岩倉具視から
「甲斐源氏の流れを汲む旧武田家家臣の板垣氏の末裔であることを示して甲斐国民衆の支持を得よ」
と勧められたため、板垣氏に復姓したのでした。
板垣退助は華族制度に反対していた？
板垣退助は、明治維新での功績を讃えられ明治天皇から爵位を授かりました。
いわゆる華族という立場でした。
しかし、板垣退助はこの華族制度に反対していました。
それはなぜなのでしょうか？
ここでは、板垣退助と華族制度の関係について簡単に解説していきます。
板垣退助は爵位を返上しようとした？
1887年、板垣退助は明治天皇より維新の功績を称えられて、爵位を授かりました。
しかし授かる前に、板垣退助は何度か爵位を拒否しています。
それはなぜかというと、板垣退助はかねてより華族制度に反対していたからです。
退助は華族制度が、自由民権、四民平等の障害になると考えていました。
そのため、自由民権運動をしている手前、爵位を授かることはできないと拒否したわけですね。
この板垣退助の態度に、鹿鳴館に象徴される上流階級の贅沢な姿に反感を抱いていた世論は、拍手喝采だったそうです。しかし、明治天皇は引き下がりませんでした。
「朕は板垣の維新当時の功績は忘れておらぬ。これに報いなければ予の心は収まらぬ」
といい、三度にわたり板垣退助に授爵しようとしたのです。
そして、さすがに「そこまでされては…」と折れ、爵位を受けるのでした。
板垣退助の息子は退助の意志を継ぎ廃嫡した？
致し方なく爵位を授かった板垣退助でしたが、後に一代華族論という、華族の爵位は世襲制ではなく、一代限りであるべきだと主張するようになります。
しかし、板垣退助が亡くなるまでに華族制度が変わることはありませんでした。
そのため、そのままであれば、板垣家も他の華族同様息子の鉾太郎に世襲されるはずでしたが、鉾太郎は父の意志をしっかりと汲んでいました。
なんと、自ら廃嫡し、襲爵をしなかったのです。
具体的に言うと、いざ襲爵の手続きをしようとした際、自分は疾病により家督を今は相続できないと言って、手続きを遅延させまくり、襲爵を時効としました。
実際は特に病気などしていなかったのですが、この際のイメージがあるため、鉾太郎は病弱なイメージがついてしまったようです。しかし、こうして鉾太郎は板垣退助の意志を受け継いだのでした。
まとめ：板垣退助の子孫は現在まで続いており、全国各地に存在している
板垣退助は、五男五女の子どもを授かり、その子孫は全国各地に散らばって現在まで続いていました。今でも、板垣退助の子孫たちは、退助が岐阜での事件に巻き込まれてから140周年を記念して集まったりなど、子孫同士交流を深めているそうです。
今回の内容をまとめると、
- 板垣退助は妻を5人迎え、全部で五男五女を授かった
- 板垣退助の子孫は全国各地に散らばり、現在まで続いている
- その殆どが一般人だが、中には学者などで活躍している人もいる
自由民権運動に注力し、自らも爵位を返上することでその意志を示そうとした板垣退助でしたが、それは残念ながら叶いませんでした。
しかし、板垣退助の死後、その意志を尊重して息子が爵位を返上します。
息子は、父親がどれだけ自由民権運動に注力していたのかを知っていたからこそ返上したのでしょう。息子がいかに板垣退助のことを尊敬していたのかが伺えますね。